やっぱり君は強かった

次の3回戦の相手も2年生で、2回戦を見た限りでは心配なく。前半に、中学時代に得意にしていたもののコロナ禍のルールで使えなかった引き面を決めたので、これで安心と思っていたら、後半、練習中の技が決まらなかった残心で面にのられ、勝負に。保護者の皆様から心配する声が上がりましたが、相手が一か八かの博打をしてきてそれがはまらない限りはまず大丈夫だろうとみていました。そして実際、その直後、得意の飛び込み面が炸裂して勝利し、4回戦進出を決めて午前中終了。

そして後半戦。ベスト8がけの試合のトップバッターだったカンタ。本当はここでシード選手を倒すつもりが、彼は3回戦で敗れていたのはちょっと残念。その勝者のまたもや2年生が相手。朝の硬さはどこへやら、来年は上位候補間違いない彼を1分かからず、面と出小手で粉砕。僕がピリピリする間もなくベスト8進出を決めました。

県大会出場をかけた大事な準々決勝。相手は初対決ながら中学時代から名前は知っている選手。実はここでも想定は異なり、先月二本負けを喫した選手が来ると思い、難関だな、と身構えていました。ところが4回戦で彼を倒してくれたのはありがたかった。というのも、きちんと中心どりをしてくる学校の選手なのでカンタとしてはやりやすい。そんな風にポジティブに思いながらも、でも、というネガティブな気持ちも持ちながらと、とてもドキドキしての観戦。なので開始45秒、鮮やかな相面で旗が上がった時は、相手と勘違いしたくらい。その後は完全にカンタペースで、徐々に僕もこれはいけるぞと不安が和らいできた矢先、鮮やかな逆胴で2本目を奪取。実力伯仲の中、まさかの大技で決め、チームメイト、保護者の皆さん、そして応援して下さってきた他校の方々からもやった、おめでとう、と大きな拍手。僕は、ちょっと衝動的に泣いてしまった。悲願の県大会を、最後の最後に決めてくれるとは。
準決勝はなんと同門対決。中学時代まではカンタにとって高い高い壁で、通算0勝10敗の「絶対王者」とここで対戦するのは、幸せの一言。うちの学校は部内対決をしないので雌雄を決するのは高校では初めて。大会で勝ち上がってきた経験数は彼が圧倒的、しかも今日はノっている。一方、カンタは彼を抜いた、という評もあります。

3位決定戦ではカンタは疲れからかあるいは気持ちが切れたのかやや雑になり、延長で、負けパターンの出小手を取られての敗退、結局4位の結果となりました。

チームメイトに負けての4位での県大会進出に本人は満足していないようでしたが、僕としてはラストチャンスで花開いたのが見られ幸せです。悲願叶った県大会、せっかくなら上を目指して、でも楽しんできて欲しい。仲間や後輩達からの、大将との優劣の評価をひっくり返すには、彼より先に負けないことだね。


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