カンタの怪我からちょうど2ヶ月。
どうやら無事治ったようで、戦列に復帰しています。脳内出血や骨折はないと診断されたとはいえ、首の周りの痺れや精神的なショックが出てこないかと心配されましたが、
幸いなことにいずれの後遺症もなく。アクシデントの5日後に組まれていた新人戦に、本人は出る気でした。僕は最初から欠場させるつもりで、「自分はキャプテン、チームを背負っている」と首にコルセットを巻きながらも鼻息の荒い彼をどう説得するべきか思案しましたが、前々日になって本人から「とても残念だけれど諦める、早く決めないとチームに迷惑がかかる」と申し出が。それを聞いた顧問の先生は、立派な決断だと言いながら、泣いておられました。僕も涙。
去年の新人戦は千葉県では中止となっているので、高校生活で結局1度も出場できなくなるとはなんとも無念。
その戦いにチームは、残りのメンバー全員で向かいました。元々カンタを入れても6人しかいない小所帯で非常に仲が良いのですが、彼が病院通いで稽古にも不在の中、さらに結束してくれたようです。前日の学校帰りには、真っ暗な公園で大将が、カンタの代役で出場が決まり重圧と緊張で潰れそうになっている選手に、「引き分けでいい、なんとかオレに繋いでくれ、そうしたらどうにかするから」なんて励ましたという逸話も。迎えた当日、初戦では途中まで劣勢の中、カンタの小学校時代からの剣友で彼を追いかけて同じ高校に来た後輩が副将として追いつく活躍。繋いだ大将は、約束通りに鮮やかに旗を上げ、見事勝ち上がり。続く3回戦はバリバリの優勝候補相手に、大健闘。全員が2本負けしてもおかしくない力差がある中、奮闘につぐ奮闘で、1人は引き分けに持ち込むなど見せ場たっぷり。
選手の側で見守ったカンタも、無理して自分が出るよりもずっといい勝負ができたと笑顔でした。彼にとっては祖母である僕の母の危篤の報が入ったのはその大会の終盤で、翌日からは治療以外にそのこともあり、部を長く離れることに。
冬休み直前に再度精密検査、ゴーサインがいただけて稽古を再開。


年明けすぐの全国レベルの大会、
茨城新聞社旗杯にも中堅で出場しました。初戦で東京の強豪校と対戦、チームは敗れてしまいましたが、
カンタは上段相手に、先制されるも鮮やかに面2本で逆転勝利。
稽古不足の復帰戦故にちょっと慎重に入って1本取られ、でもそれで不安が消え、エンジンがかかったそうです。顧問の先生は年末から入院されてしまいご不在だったため、オンタイムで技術的な細かい振り返りはなかったものの、
その後、中堅から大将へのポジション変更を告げられ、本人大喜び。色んなタイプの選手が出てくる中堅戦は非常に学びにはなったけれども、やっぱり大将戦の方がやりやすいのだそうです。
その翌週参加した都内で開催された錬成会には、主に大将として出場し、完全復活。
いや
それどころか、変身ともいえるほど躍動しました。僕ら以外は各県ベスト8以上クラスの強豪校が集った中、5勝4敗3引き分けと驚きの勝ち越し。しかも全国選抜に愛知県代表として出場を決めているチームの中堅にも勝ってしまい。こんな強い学校とお手合わせいただけるだけでもありがたいことで、2本負けして当然と思っていましたが。
休んでいた間に頭も体も整理できた部分があったのか、僕が見てもまた一段レベルが上がったなと感じる内容でした。まさか遠征で負け越さない日が来るとは。
高校の剣道部生活、泣いても笑ってもあと半年。どこまで成長するのかな?
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Posted on 2023/01/27 Fri. 21:35:56 [edit]
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