セミが少ない?
といっても、4日前まで広島にいたのですが、あちらでは、午前中にはクマゼミが、交響楽団が一大コンサートを開催しているかのような凄まじい大合唱で、午後もニイニイゼミ、アブラゼミが夜遅くまで熱唱しており、これぞ夏、という雰囲気を醸し出してくれていました。真夏が好きな僕にはとても快適。気持ちが高揚して前向きになります。夏はこうでなくっちゃ。
でも、僕の住む成田で鳴いているのは、梅雨の終わりを告げにやってきて夏の間中鳴くものの、リードボーカルというよりはバックコーラスというのがふさわしいニイニイゼミだけ。

サクラの枝に止まるニイニイゼミの♂。なぜ♂とわかるかというと、この後ヂッと吐き捨てて逃げていったから。
今年はニイニイゼミが多いよう、という意見も耳にしましたが、僕はむしろ、「岩に染み入る」あの声が響くのは他が少ないためではないかと。とりわけ、アブラゼミの声なんて、もう発生のピークを迎えていいはずなのに、疎らにしか聴こえてきません。
ヒグラシはようやく数は揃い、明け方、彼らに起こされるようになってきましたが、でも、ヒグラシに触発されて鳴き出すニイニイゼミの数の方が上回っているようで、多少違和感があります。伴奏がメインと入れ替わっている感じです。


なぜかシラカシの下の方に止まっていたヒグラシの♂。素手で捕まえてみた。ツクツクボウシに似た大きさと色だけれど、お腹が長く大きいのが特徴。陽光の差し方が関係しているらしく、日の出と日没の時や、夕立の前に輪唱する。
昨日は夕方、東京の実家に近い目黒にいました。ニイニイゼミとミンミンゼミは鳴いていましたが、本来ミンミンゼミと並ぶ主役のアブラゼミは少なかったです。もっとも、山の手ではこの10数年でミンミンゼミが急激に増えているようなのですが、それを考えるとミンミンゼミも少なめではないかな、と感じました。
同じようにニイニイゼミばかりと所沢の虫仲間も言ってますから、やはりこの感覚は間違ってないと思います。関東の夏は、今年、いつもと雰囲気が違います。
セミの専門家のZikadeさんがおっしゃるには、セミの数は年によって変動するもので、今年はセミが少ないのですか、という質問と時を同じくして、セミが多いという意見がきたりもするのだそうです。セミに限らず、クワガタも定点観測していると個体数の増減激しいですし、海で捕れる魚にも豊漁・不漁があります。あれだけいないと言われていたマイワシは去年から急激に捕れ出しました。ですから、あるセミが少ない(と感じられる)年があっても当然です。それが即、環境云々の議論にはつながらないと思います。
そうとわかった上で、しかし、ここまでニイニイゼミばかりという夏はやはり変です。アブラゼミが鳴いたのなんて、今日1日外にいて3、4回でした。電灯の下でもがく彼らの姿もまだ全然見ませんし、いくらなんでも少なすぎるように思います。冷夏の年に、セミの鳴き声が弱々しく、スピードがゆっくりだった、ということはありましたが、こんなにニイニイゼミの声しかしないのは記憶にないです。
西日本ではクマゼミの声が、好きか嫌いかは別にして、夏のイメージの中心でしょう。対して関東では、アブラゼミやミンミンゼミの音色が真夏の象徴です。NHKの朝の連続テレビ小説で夏のシーンがあった時、クマゼミが鳴いていれば大阪の製作、アブラゼミやミンミンゼミなら東京、とわかるくらいです(稀に、そこにいないはずのセミの声がしたりもしますが)。そのセミ達のBGMが弱いと、なにか拍子抜けです。
ニュースでは連日真夏日を告げていますし、待ち行く人は「暑い暑い」を繰り返していますが、僕の肌感覚では、今年の成田の夏はむしろ冷夏ではないかと。単にセミの声がそう感じさせているのかも、とも思いますが、でも気づくとブルーベリーの色づきも遅いし、スイカの実りも遅れています。僕自身、予定していた1週間の夏休みがパ~になって、なんとなく、今年の夏はこのまま終わっていってしまうような...カープもここへ来ていいところなく...。

写真は、初めて広島を訪れ、最初で最後となる市民球場で応援するショーゴ。残念ながら負けました。おいしいお好み焼きを食べ、カープを1軍も2軍も観戦し、宮島と平和記念公園を訪れ、幼稚園の恩師にお会いし(しかも大のカープファンと判明し!)、とても充実した真夏の広島でした。

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コメント
No title
こんにちは、ガビーさん
アスファルトが増えつつも、まだまだ山と海に囲まれていることもあり、こちらも蝉がないています。
ただ、例年に比べれば少ないかなという感じがしますね。
職場横には、神社があるので、大きな木があるためか、たびたび仕事帰りに蝉の脱皮?!を見たり、蝉の抜け殻はたくさんあります。
昔、抜け殻を良く集めたっけと思い出しつつ、周囲に人がいなければちょっと見入ったりしてます
蝉には詳しくないのですが、おそらく数種類いますが・・・私にはミンミンゼミがもっとも多いように聞こえますが、わからないだけにミンミンゼミという名前が正しいかもわかっていませんけど。
今年の夏は、すでに海はクラゲが発生していますし、本当に変な夏です
れん #- | URL | 2008/08/01 17:50 [edit]
>れんさん
変な夏、というのは、まぁ、毎年のように言われていることで、何かにスポットライトを当ててみるために、変だということになるのかなぁ、大きくみれば普通の夏なのかもなぁ、とも思いますが、セミはわかりやすい存在なんで、どうしても気になります。
そうそう、セミは都市化に強い虫です。飛翔力がありますし、ちょっとした公園や街路樹でも繁殖できるようです。そして、都市部では天敵が少ない。例えば、西日本の代表的なセミ、クマゼミが一番喧しいのは、大阪市中心部ではないかと思います。大阪の人でクマゼミが好きという方は、たぶんあまりおられないかと。
れんさんの耳にされているセミ、何かを考えてみますと、ミンミンゼミなら、「ミ~~ンミ~~ンミ~~ン」と強くはっきり鳴くのでずばりおわかりになるはず。濁されているところを見ると、実は、ニイニイゼミを聴かれているのではないかなぁ、と。もしくは神社で大きな木であることからヒメハルゼミの可能性も?こちらはかなり自然環境が豊かである必要がありますが。れんさんは関東の方ですか?
セミの鳴き声、是非、こちらで確かめてみて下さいませ!
http://homepage2.nifty.com/saisho/song_j.html
ガビー #- | URL | 2008/08/01 20:52 [edit]
No title
ガビーさんこんにちは。
1週間不在にして遅くなってしまいました。
さて、私がいるところは関東、神奈川です。
ご存知だと思いますが、都心に近いとはいえ、まだまだ自然が残っています。
かなり緑が失われたとはいえ、まだまだ森も山も海もあります。
蝉の鳴声を確認したのですが、やはりミンミンゼミのようです。
ミンミンゼミという名称が正しいのが、びっくりしましたが。(音だけでの通称かと思っていました)
朝、天気がぐずっていましたが、かなり良くなってきたら、ミンミンゼミが大きな声で合唱をし始めています。
本当に夏らしさを感じますね。
れん #- | URL | 2008/08/11 12:20 [edit]
>れんさん
いつもいつもコメントありがとうございます。
そうでしたか、ミンミンゼミと判明しましたか。今度は是非姿を見つけて下さい。マスカット色の鮮やかなグリーンを黒が引き立てる、それはそれは綺麗な配色です。僕など、ミンミンゼミの美しい色だけで、自然てすごいなぁ、と感動してしまいます。
しかし、暑いですねぇ!僕は歓迎ですがw。どうぞご自愛を。
ガビー #- | URL | 2008/08/11 18:58 [edit]
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