ホゴ釣りを習う
東京湾の船で渡るとある堤防で釣る、ということで、朝6時に川崎で待ち合わせ。Tさんとは初対面だし、僕は運転が好きではないので早め早めの行動を心がけ、週初めには道具を揃え、前夜にはカープがクライマックスシリーズ敗退後そそくさと就寝、当日も4時に起き出し出発、快調に川崎へ向かっていたのですが、高速の出口3キロ手前で突如の事故渋滞にはまり、1時間も遅刻。思い切り焦る。ぎりぎり間に合わないと諦めかけて到着したところ、たまたまお客さんが多く船が2つに別れて2便目が出る時でした。船宿のおじさんが思いの外優しく?、真っ黒に日焼けしたおっかない顔で「早く乗れっ!」と怒鳴るので慌てて飛び乗れば、車にロッドと昼食のおにぎりを置き忘れる痛恨のミス。ここまでで正直、燃え尽きかけました。いや、今日はもう釣りはいいのだ、Tさんにお会いするのが一番の目的なのだから、と得意の切り替え。が、先に堤防で待っていてくれたTさんとそのお仲間は、心温かく笑顔で迎え入れてくれた上、ロッドも貸して下さることに。とてもありがたいやら恥ずかしいやらで、釣りへの気持ちを取り戻し準備を始めれば、あちゃー、糸をリールに通し忘れるわ、風に煽られ仕掛けを絡ませるわと、またまた負の連鎖。落ち着けっ、自分。釣りをすると、性格とか人間性が出るんだぞ。
Tさんの基本のレクチャーを聞きつつ準備完了し、胴突き仕掛けを落としてみたら、案外早くに1匹目のカサゴが。本当はジャンプしてガッツポーズしたいくらい嬉しかったのだけれど、いや待て、ただでさえバタバタしている印象を持たれてしまっているに違いないのだ、それに道具はお借りしているものだし、鯖の切り身の餌だってTさんが準備してくれたもの。仕掛けのチョイスも糸の垂らしが短いものを、重りは今日は波が荒いから5号から試して、というインストラクション通りにやっただけ。別に僕が釣ったわけではないぞ、冷静に、平静を装おう、と自分に言い聞かせ、水汲みバケツの中に放した所で記念の写真をこっそりパチリ。
大潮だし台風が去った後でもあるし、今日はどれだけ釣れるんだろうと一気に気分上昇し、主にケーソンとケーソンの継ぎ目を狙いながら堤防を釣り歩きます。続いてヒットしたのは、手応えは良かったのに掌にのるかわいらしいサイズで、今日は大きいのたくさん釣るから君はいいや、となんの躊躇いもなくリリース。が、その後、根に潜られて仕掛けを切られたのを最後に、全く当たりがなくなる。たぶんそういう時間帯なんだろうな、とあまり気にせず、先を行っていたTさんの元へ。で、驚いた。堤防の端のお気に入りの場所で釣りをしていた彼は、流石名人、まるで鰹の一本釣りのように次から次へと、しかも他の魚は一切釣らず、ホゴばかりを上げているところでした。なんで、なんでこんなに違うの!?そこで再びレクチャーを受け、惜しみなく奥義を教えていただくも、たぶんその通りにできていない僕は、全くダメ。その傍らでポンポン釣り上げていたTさんも、やがて釣れない時間帯に突入したようで、こういう時はお昼にしましょう、今日は渋いですねと。僕が1匹確保する間、もうすでに2桁に達しているというのに。写真はその名人Tさんと、多少集中力が切れて撮影した、羽田空港へ着陸するもうすぐ引退のB747ジャンボ。
昼食は車に置き忘れたので、僕は釣りを続けることに。これも是非試してみてと、ブラクリ釣りをプラスαのテクニックと共に伝授していただきました。それでも最初はダメで、Tさんも今日は活性思ったより低いなぁ、と諦めムードが漂い出した頃、こんなところにはいないだろうという狭い隙間へ丁寧にブラクリ仕掛けを落としてみたら、突如ゴゴゴンッ、という強い引き。引き上げようとしても穴で踏ん張ってしまっているようで動かず。一旦緩めて軽くテンションかけて、魚が動き出したら一気に引き抜いて、というアドヴァイスの通りに格闘してみたら、20cmオーバーの立派なホゴ、嬉しいっ!
コツを掴んだ僕はその後、さらに3匹を釣り、計5匹で大満足。一方、Tさんは全然ダメですね今日はと言いつつ、30匹程を釣り上げていました。僕は本当に嬉しかったのですが、同時に、人間、志やハードルの設定の仕方で、満足の仕方は変わるなぁ、より高いところを見ないと成長はしないなぁ、と改めて考えさせられる、そんな差でした。それにしてもなぜホゴだけが釣れるんだろう、どうしてメバルなど他の根魚が1匹もかからないのだろうとの疑問は、餌でした。確かに僕がいつも使うのは、アオイソメか海老。対して今日の餌は鯖の切り身。メバルはこちらには反応しないようです。メバルよりカサゴの僕。これまたいいことを教わった!
Tさんに5匹をいただき、計10匹となったホゴ。どうやって料理しようと楽しみにしながら帰宅しましたが、帰りも渋滞したこともあり、下処理したところでへばってしまい、結局一番簡単な、和の煮付けに。表面をさっと焼いた後、お酒、みりん、砂糖、麺つゆで煮立たせ、生姜を入れただけの簡単な料理でしたが、いやぁ、実にうまかった。僕のフィールドの九十九里でカサゴを狙っている方には出会ったことがありませんが、たぶんあんなところやこんなところでも釣れるはず、と次に外房へ行くのがとても楽しみになりました。Tさん、新しい世界へ誘ってくれてどうもありがとう!
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コメント
恥ずかしながらホゴと言う呼び名、知りませんでした。あるいは子供の頃に聞いていたのを忘れてしまったのかも。釣りは気軽にしたことしかないのですが、極めて行こうとすると深いのですね。魚に関しては恵まれ過ぎた環境だったのでかえって有難さがわからなかったのかも知れません。
キヨタ #QNjftStU | URL | 2013/10/20 22:55 [edit]
>キヨタさん
あらま、本当ですかっ!?今治では「カサゴ」表記がむしろないです。僕なんか、
ホゴもカサゴも知っていましたが、それが同じ魚と気づいたのは大きくなってから
です。そうそう、メバルのこともホゴとして売ってたりしましたから。
今度今治に帰られた際は、是非ホゴ食べて下さい。関東では市場に行かないと売っ
てませんが、今治ではどこででもしかもお求めやすい価格で手に入ります。
J.A.ガビー #- | URL | 2013/10/21 06:36 [edit]
根掛かりとの戦いのような釣りですが、根掛かりしないような場所では釣れないから仕方ないですね。
あのダイレクトな“グググッ”を味わえる上に、本当に上品な白身も味わえるんだから、最高の魚ですね!
ムギ #- | URL | 2013/10/21 17:42 [edit]
>ムギさん
今回は覚悟してたよりもロスはずっと少なく済みました。ブラクリは引っかかっても
とれやすいんだな、と実感。
あとは僕のフィールドで釣れる場所を見つけるだけです。外房だとカサゴよりアイナ
メになるのかも。何かいい情報知ってたら教えて下さい。
J.A.ガビー #- | URL | 2013/10/22 06:59 [edit]
魚釣り、いいですね
世の中コワイモノナシみたいに思われる私ですが、魚は触れません。足付いてないし、キモイ。尊敬です。死んだところを確認してからなら調理できますけんど。。
昨夜は鯛の切り身とホタテをスーパーで買って来て、フライパンに皮部分を押し付けて焦げ目がつくまで焼き、白ワインを少し入れて蓋をして。その後、アンチョビ、ケーパー、ザク切りオリーブ、タカノツメ、シメジ、キャベツを同じフライパンで炒めて、鯛とホタテの上からソースとして載せ、フライドオニオンを散らして、庭のイタリアンパセリをトッピングして食べました。
オススメのホゴの洋食メニューは?
uassu #- | URL | 2013/11/04 17:37 [edit]
Re: 魚釣り、いいですね
uassuさん、意外です、魚を触れないとは!
uassuさんが作ったのはいわゆるアクアパッツァのトマトが抜けたバージョンですね。洋食でたぶん
一番おいしい魚の食べ方です。
そして、実はホゴはこの料理にもってこいです。なぜなら骨からいい出汁が出るので。アクアパッ
ツァには魚介の旨味を足す、という作業が欠けており、それを、オリーブやトマトで補っているの
ですが、ホゴだと、火を入れているうちに、骨から旨味が出てきますので、鯛の切り身よりもおい
しくできますよ!
あ、触れれば、ですが。
このブログでもhttp://gabee.blog50.fc2.com/blog-entry-183.htmlで、ホゴのアクアパッツァみ
たいなのを書いていますので、試してみて下さい。
J.A.ガビー #- | URL | 2013/11/05 07:15 [edit]
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