瑞々しい新緑と薫風が田んぼの水面を揺らし、なんでもない日常の景色がまばゆく輝く、実に気持ちのよい季節がやってきました。そんな心地よさとは裏腹に、新年度が始まってひと月が経とうとするこの時期は、
新しい生活に対する緊張感や居心地の悪さから愛憎入り交じった様々な記憶が明瞭に残っているのは僕だけでしょうか。そんな中でも最も古い思い出の1つに、今から30年程前、
ちょうど今のショーゴの頃の国語の教科書に、『雲仙から阿蘇へ』という紀行文があったことがあります。流石に細かい文面までは覚えていませんが、タイトルのリズミカルな響き、文に添えられていたツツジやミヤマキリシマの花そして阿蘇の草千里の写真が、なぜだか思い出されます。今日はその
雲仙から阿蘇へと巡る一帯を、空港を軸に空中散歩してみましょう。


まずは長崎空港からいきたいところですが、ここはいつも真上を通過してしまい撮影がまだできていないので、代わりに
佐賀空港、愛称有明佐賀空港。15年ほど前に開港しましたが、福岡空港にほど近くまた周りの有力な観光地からはどこからも距離があるため、やはりというか当然というか利用が伸び悩み、厳しい批判が。実際、空から見てもその閑散具合が想像できます。この左の写真、どこが空港だか、わかりますか?拡大してみて初めて滑走路が認識できますが...右に流れる川は、
阿蘇山に源を発する筑紫次郎、筑後川。
佐賀空港の反対側に見えるのは
島原半島。中心の
雲仙岳は20年前、5年に渡る火山活動を起こし、その火砕流の映像は記憶に新しいところですが、
その際に中心の普賢岳の脇に溶岩が隆起してできた平成新山1483mが最高点になっているのは今まで知りませんでした。一帯は今、
「島原半島ジオパーク」として日本で初の世界ジオパークの認定を受けた「大地の公園」となっています。中央下の普賢岳から左側に流れた火砕流の痕が見えます。左隅の山は眉山。200年以上前の島原大変肥後迷惑と呼ばれる火山災害では、この山の山体崩落により有史以来日本最大の火山災害を起こしていますが、20年前の噴火の際はこれがあったために、その左の
島原市は守られたそうです。沖に見える島々は
天草諸島。島原半島と天草諸島は、日本史上最大の一揆、島原・天草の乱の地としても知られています。

飛行機はその後、
熊本市上空を通ります。
熊本は一人旅、家族旅行、友達との旅行、と3回も訪れたことのあるお気に入りの街のひとつ。その魅力はなんといっても加藤清正が築城した
熊本城。漆黒の天守は格好よく、日本最大級の城郭の広さも見事ですが、一番は「武者返し」と呼ばれる石垣。丈夫へ行く程垂直になり、登っていったとしても途中で上が迫り出してくるような形になって登りきれない独特の石積みの技術は、築城250年余り経った後の西南戦争でも西郷隆盛軍の突入を阻み、隆盛をして「官軍に敗れたのではない、清正公に負けたのだ」と言わしめたそうです。

その
熊本城公園を中心に捉えてみました。公園の右端にあるのは
県営藤崎台球場。そのすぐ右側を鹿児島本線と鹿児島本線が上下に走っています。上部を左右に横切るのは
白川で、左上隅にある水辺は
水前寺公園です。

熊本空港、愛称阿蘇くまもと空港は、その名の通り、熊本市内から阿蘇の方へ20キロ少し登った、阿蘇山の入り口にあります。昨年、太陽光発電パネルの大屋根を設け、内装には熊本産の木材を使うなどリニューアルされたそうです。周辺の景観の良さもあり元々航空ファンには飛行機の絶好の撮影ポイントとして人気でしたが、最近では、ゆるキャラで人気のくまモン効果もあり、賑わっているようです。写真の左端に見えている赤茶けた山が
阿蘇山の外輪山。その阿蘇山は、空から眺めるととても雄大で素晴らしいの一言なのですが、それはまた別の機会に。




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Posted on 2013/04/27 Sat. 19:41:58 [edit]
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