奥歯に衣着せられぬ
左下の奥歯2本を失いました。その奥の親不知はとっくに抜いていたので、つまり本来ある姿からマイナス3本、奥歯と呼べるものが1本しかなくなってしまいました。原因は歯周病です。2年前の夏、フラップ手術という恐ろしい経験もし、無事乗り越えたはずだったのですが、今年に入ってからその手術をした箇所が再び腫れ出し、歯がグラグラと揺れるようにまでなってしまいました。定期的に診て頂いているかかりつけの歯医者さんの、残念ながらこの歯を残す方法はもうなく、むしろ早く抜かないと次の選択肢も徐々に狭まっていく、という説明に納得、まずは8月に、奥から2番目の一番歯周ポケットに問題がある歯を抜きました。2年前の手術前後の通院の努力や痛み、そして治療費を思うとやりきれませんでしたが、致し方ない。抜いた歯は10代の頃に虫歯となり金の被せ物で覆われていました。これが売れるとわかり、今は金の価格が高騰しているから是非治療費の足しに、と鼻息荒く買取業者に持ち込んだものの、500円にしかならず。
抜いたところはインプラント治療をすることに決めました。ブリッジや入れ歯にする手もあり、それだと保険適用なので安く上がる反面、前後の歯も一部削らねばならず、噛む力も弱くなり、さらには定期的な更新が必要、というデメリットから、インプラントがベターとの見解。1本40万円くらいかかるようですが、僕は50歳、口内環境を騙し騙しやり過ごそうとするにはまだ若い。
1ヶ月ほど歯肉が盛り上がってくるのを待って、土台の骨の状態を精査することに。が、今度は奥にぽつんと残された歯が大きくぐらつくように。手前にあった歯とお互い支えあっていたのがそれがなくなってしまい、かつ噛む時に前方へ向けて力が加わるために、根元が揺らぐようでした。丁寧にケアし、気にしていましたが、日毎に揺れ幅が大きく、痛みも増すようになり、耐えきれずに相談したところこちらも抜くことに。麻酔が効いていたのはもちろんありますが、あっけないほど簡単に抜け、どれだけ根がダメになっていたのかと自分でも呆れてしまうほど。縫うこともなく。ただこれでインプラント治療は最低80万円...。
そうして今僕の左下奥は何もない状態に。まるで住人のいなくなった空き物件。早くここにインプラントを迎え入れ、生き生きとした環境にしたい。お金はかかるけれど残りの人生への投資だ、と意気込んでいたのですが、昨日、その説明を受けに行った歯医者さんでCT画像を見せられながら通告されたのは、「土台の骨がもうほぼない状態で、インプラント治療は不可能です」。ショック。
部分入れ歯を作ることになりました。この歳で、一部とはいえ入れ歯になるとは情けない。コンタクトレンズに続き、着脱と消毒、そして更新する手間も面倒だなぁ。



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