されど三段?

高校時代に担任の剣道の先生の影響でとっていた1級をひっさげ、カンタと共に始めたのが2012年。初段合格は翌年。が、二段合格はようやく2年前のこと。色々あって10年かかってしまいました。三段は二段をとってから2年鍛錬を積まねばならないのですが、コロナによる審査会の遅れという事情から遡った日付での合格となったため、今年の3月にはもう受審資格があり、カンタと共に参加。が、なんと僕だけ落ちるという屈辱。高校生、それもカンタのライバル校のエースとの立合いとなったのが痛かった。自分の剣道はできたつもりでしたが...。そうそう、春の審査会は主催が隣の市なのですかなぜか基準が厳しい模様。男子は半分近く落とされていました。
不合格は残念でしたが、またチャレンジしたらいい、のんびりいこうと思う僕に対し、剣友会の先生方は厳しく。自分の最大の課題は足だと認識しているのですが、そちらに意識を集中してやっていると、力が入っていて硬い、右が突っ張っている、もっと肘から柔らかく、と腕の使い方を注意されます。で、そちらを考えると、今度は攻めが単調になってしまい、指摘が。それでもなんとか打ったと思ったら、今度は抜けきることが疎かになり...。そうこうするうちに左足踵は外へ向き、足幅は広がり、重心がバラバラに。そうして最大の課題が少しも良くならないまま稽古後にいただくお言葉は、「今のままでは受からない」と。そうだろうけれどさ...。
教えをありがたく受けねばならない立場なのは充分理解しつつ、僕は若い時からされている先生方のようにはどうやっても動けません。それでもやるのは、そもそも理屈が面白く、それを理解した上で体現できるようになるのが楽しいからで、歩みは遅くたって構わないとさえ思っているので、困ったなぁとか嫌だなぁと思う時も多々あります。だいたい先生方は、意地でも打たせないか、わかりやすく打たせるか、のどちらかだし。
そんな折、週に1度、カンタの母校の中学校で夜にやっている自主練習の場、ここがとても有効でした。中学生相手だと、誰もあれやこれや言わないので自分で試して確認して、という作業ができるし、立合いをしても1人の強い子以外はなんとか封じ込めるし、おまけに子供達は懐いてくれて、僕にしっかりしなきゃと思わせてくれるし。とても効果的に感じ、以前はたまにの参加だったのが、4月からはほぼ毎回になりました。自分なりに成長を実感できることがあるのもありがたく。
三段審査会は日曜日の午後から。会場でアップはできないとのことだったので、その午前中、高校の部活にお邪魔し、稽古に加えていただきました。同じく段審査に臨むカンタの後輩達だけでなく、この2年半とてもお世話になった先生に緊張しながら初めて対峙。圧倒されて厳しいコメントを頂戴するのかと思いきや、僕の今もっている力をフルに引き出してくれるように絶妙な力の抜き具合でお相手して下さり、気持ちよく打ち込めました。さらに、「基本的なことはできているし気勢も充分、あとは、残心だけ。充実した気合いを打った後まで見せる、そこだけを大事にして下さい、そうしたら大丈夫だから」と言われてものすごく気が楽に。相手の受け入れられる範囲を意識し身の丈にあったアドヴァイスをし、さらにモチベーションをあげて下さる、流石に高校生の指導に定評がある先生は違う。おかげでほとんど緊張もせずに審査に臨めました。対峙したお相手がお二人とも大人で丁寧な剣道をされる方だったのにも恵まれ、終わった時に、うまくできたのではないかなと思いました。面と小手しか打たなかったけれど。



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