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成田発 It's My Style!

千葉県成田市から、毎日を楽しく豊かに上々にする僕なりのスタイルを、広く世に問う!(大袈裟なw)

 

山で採れたセップ/ポルチーニの上手な干し方 

梅雨の合間から採れ出し、9月の長雨の頃まで見つかる日本のセップ/ポルチーニ(ヤマドリタケの仲間)。種類と見分け方、そしてそれを使った料理については、過去、「茸」のカテゴリーで色々と書いているのでそちらを見ていただくとして、肝心の干し方にもコツがあるので、今日はそれを。


DSCN2829.jpg初夏の恵みのアミガサタケだと 洗って砂を落とした後、ザルに広げ、そのまま風通しのいいところに置いておけば3、4日で自然に乾燥してくれます。表面積が広くて中は空洞の茸、おまけに湿度も高くないので、簡単です。ところが、夏のセップ/ポルチーニの場合工夫が必要になるようです。図鑑には茸の干し方として、スライスして扇風機等の風に当てると良いと書かれていますが、それだけでうまくいった試しがありません。


DSCN3813.jpgというのは、ヤマドリタケの類は人間にだけでなく虫にも美味しいようで、まず間違いなく中に虫が入っています。写真のヤマドリタケモドキはかなり状態のよい完品ともいえるものですが、それでも小さく茶色く変色している部分、ここにはキノコバエの幼虫が巣食っています。このまま干せば、乾く以前にウジ虫があっという間に育ち、目を覆いたくなる悲惨な結末になります。さらに、茸は重さの8割から9割が水分でできているので、この時期の湿気もよくなく、1日でカビだらけになることも。やっと見つけたセップ/ポルチーニが、虫とカビに覆われ、ドロドロに溶け出して異様な臭いを発してしまうと、せっかくの茸が無駄になるだけでなく、2度と食べたくなくなってしまうかもしれません。


DSCN3811.jpgそこで僕のお勧めするのは、最初にオーブンを使うこと。オーブンで殺菌殺虫してから自然乾燥させるのです。もちろん、オーブンで乾かし切ってしまうという手もありますが、それだと風味も飛んでしまいます。火を入れるのはあくまで虫や菌を殺すためだけ。その後は、自然の風や太陽の力を活かすようにするのが断然いいです。


DSCN3815.jpgDSCN3812.jpgスライスは大胆に厚く1cmくらいに。これでも最後はかなり小さくなります。1cm以下だと向こうが透けて見えるようなヒラヒラ状態になってしまい、水に浸けて戻した時の旨味の汁も薄くなってしまいます。これを160℃のオーブンに7、8分入れ、そのまま粗熱をとります。右の写真を見るとわかる通り、茸は半分くらいに縮んでいますが、まだ水分を含み、焼き色はついていない状態です。ここまでくれば中に潜む虫は殺されているので大丈夫、あとは自然の力を借ります。ザルの上に新聞紙をあて、その茸を重ならないように広げ、直射日光は当たらず風は当たる場所に置いて下さい。3、4日で乾き切ります。


DSCN3816.jpgIMG_1220.jpg写真で移り変わりを見るとよくわかりますが、鉄板一面に広げていた茸が、水分を飛ばしたら両手いっぱいに満たない量になってしまいました。これでも買ったら数千円分...。


DSCN3902.jpg出来上がったら瓶に入れ、シリカゲルを投入して密封すれば完成。乾燥剤が生きている限り保存が可能です。我が家では主に翌年の夏、フレッシュのイグチ/ポルチーニを食べる際に、味と香りを足すために使います。茸は必ず採れるわけではなく不作の年もあるので、大事に使い、だいたい2年くらいはもたせるようにしています。





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Thread: ナチュラルスタイル

Janre: ライフ

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ベーコン、アスパラガス、モリーユのクリームパスタ  

アミガサタケ(モリーユ)のシーズンもそろそろ終わり。生のアミガサタケを味わうのは今しかありません。DSCN2681.jpg今日はリクエストのあった定番のパスタメニュー、アミガサタケのクリームパスタの作り方を。アミガサタケが穫れたはいいけれど、どう料理したらよいかわからないという方は、簡単ですので作ってみて下さい。なお、アミガサタケは乳脂肪分との相性が抜群ですが、クリームを使わないアミガサタケのパスタのレシピもこちらにご用意しています。


『ベーコン、アスパラガス、モリーユのクリームパスタ』

<材料:4人前>

・乾燥アミガサタケ         25gDSCN2617.jpg
・牛乳              100cc 
 
・アミガサタケ          100g

・ベーコン(1.5cm幅に)    100g
・アスパラガス        70g(4本)
・黄色ピーマン(スライス)50g(1/3個)

・バター              30gDSCN2620.jpg
・白ワイン             60cc
・にんにくのみじん切り      小さじ1
・生クリーム           200g 
・お好みのパスタ         500g
・パルメザンチーズ          少々
・黒胡椒               少々
・塩


DSCN2622.jpgまずは、最低4、5日乾燥させたアミガサタケを牛乳に漬けて戻す。我が家にはドライモリーユは沢山ストックがあり、去年穫ったのを使用。1時間ほど経って充分にふやけると、カフェオレ色になっている。これが最高に美味な旨味の素。ただし、どうしても砂を噛んでいるので、戻し汁はペーパーで濾し、アミガサタケは水でよく洗う。


フレッシュのアミガサタケは軸の根本、土のついていたところを切り落とし、虫が入っていないようであればそのままでもよいし、心配なら縦に半分か、大きければさらに半分にカット。こちらも流水でしっかり土を落とす。


アミガサタケはそのままで味も歯ごたえもよく、あとはクリームがあればそれだけで満足なソースができます。でも、子供達の栄養バランスを考えると動物性タンパク質は必要だし、かつ茸の旨味は、動物性の旨味(イノシン酸)とあわせると相乗効果が発揮されるので、肉か魚を。去年の記事では鶏肉を使っていますが、今回は彩りも考えベーコンに。なお、魚とあわせる場合はカサゴのポワレについて書いたこちらの記事を参考にして下さい。


西洋料理でアミガサタケとはセットで用いられることの多いアスパラガスは、僕の大好きな野菜の一つ。今が旬で、今回使ったのは成田市の地元産です。自分でも栽培して食べたいと僕の家の庭にも去年植えたのですが、収穫まで3年かかるそうなので、楽しみは来年以降に。斜めに3等分、固い根本部分はさらに縦に半割りし、パスタを茹でるために用意した湯で20秒程さっと軽く塩茹でし、氷水へ。これで色も食味もグッと上がります。なお、ベーコン×アスパラガス×モリーユの組み合わせは、BLT、ベーコン×レタス×トマトに勝るとも劣らないセットじゃないかと思い、僕は密かにBAMと呼んでいます。


黄色ピーマンは色合いと栄養の兼ね合いから。なくてもOKですが、黄色ってちょっと入ると全体が鮮やかになる色なので僕はいつも意識しています。また他の野菜を加えてももちろん構いません。キャベツや菜の花なんかも良いでしょう。


他の材料は普段使っているもので。パスタはクリーム系は太いものの方があいます。今回僕は平たいフェットチーネにしました。そうそう、白ワインはいつもの通り安くてよいので辛口がマスト。チーズは理想はブロックのパルメザンやペコリーノをすりおろして使いたいところですが、我が家にはなく...。ああヨーロッパが恋しい。本家には全くかないませんが、パウダーのパルメザンチーズで。ピザ用のとろけるチーズでもいいと思います。最後、味を引き締めるためのブラックペッパー。これ案外大事なところで、ラーメン屋さんによくあるすでに粉状になったものでは効果半減、食べ手の心は動かせません。一応何か言っているけれど伝わってはこない下手なスピーチみたい。胡椒は粒を、その時々に挽くことで、新鮮な香りや刺激を料理に添える、そういう風に使うのが大事だと思います。


さて、作り方も一気にいきましょう。


DSCN2625.jpgDSCN2629.jpgまずパスタを茹で始めます。ソースは茹で上がるまでに作れます。フライパンにバター、にんにくを入れ弱火に。バターが溶けるとにんにくの香りが立ってくるので、中火にしてフレッシュのアミガサタケを炒める。全体にバターが絡んできたら戻したアミガサタケ、ベーコンを加え、戻したアミガサタケの水気を蒸発させつつ、ベーコンの脂を溶かすようにソテーする。


DSCN2633.jpgDSCN2634.jpgDSCN2640.jpg白ワインを注ぎ入れ、アルコール分を飛ばし、生クリーム、アミガサタケの戻し汁を入れて一煮立ち。食材それぞれが十分に馴染むように。時間にして2分くらい。そうしたら塩味を決める。黄色ピーマン、下茹でしてあるアスパラガスを加え、すぐに火を止め、茹であがったパスタを和えて器に。仕上げにチーズをかけ、ブラックペッパーを挽いて完成。


アミガサタケ類は、地域によってはまだこれからも見られるようですが、成田周辺は終わってしまったようです。ここ数日時間を見つけてかなり真剣に探したのですが、ありませんでした。でも乾燥アミガサタケがあればOK。そもそもアミガサタケはレストランでもフレッシュなものを取り扱うのは極めて稀。生を炒めた歯ごたえは何とも言いようがない素晴らしさですが、ドライのアミガサタケだけでもとてもおいしくできます、是非!












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イノシシの赤ワイン煮、カシス風味 ~仕上げる~ 

さて、いよいよイノシシの赤ワイン煮、カシス風味を仕上げて、美味しくいただきましょう!


1晩置いた鍋を火にかけて温めます。急ごうとして火が強すぎると底が焦げついてしまうし、肉も固くなってしまうし、水分も蒸発して、また調整しないといけないので、そこそこの火でたまにそっと肉が崩れないようかき混ぜながら気長にゆっくりと。もし鍋からタッパー等に移して保管していたのであれば、電子レンジでの加熱もお薦めです。


DSCN2007.jpgDSCN2009.jpg温まったところでカシスジャムで甘味と酸味を。僕が使ったのは、フランスサンダルフォー社の砂糖不使用のカシスジャム。今回のレシピでこのジャムでは60gでちょうど良い感じでしたが、ジャムの甘さにもよるので、味を確かめながら入れて下さい。準備段階にも書いた通り、ラズベリーや柑橘類、あるいはイチジクのジャムも相性よいです(その場合前の記事のリキュールもそれぞれにあわせます)。しまなみ海道のイノシシなので、ミカンやレモン風味に仕立てればよかったかと今頃になって少し後悔。グッと味にメリハリと深みがつき、なるほど、と思っていただけたら、その煮込みもこの記事も大成功。さらに細かく切ったバターを溶かし込み、全体をまとめます。そうそう、肉を準備した時にとっておいた血があればそれもここで加えると少々ワイルドな味に。もちろんこちらはお好みで。これでようやく完成!時間はかかったし、文字数も多いけれど、やってみたらとても簡単、是非お試しを。


IMG_20140067.jpgDSCN20431 - バージョン 2なお、今回僕は、じゃがいものムースリーヌと、庭で栽培していた姫人参を付け合わせに添えましたが、緑黄色野菜でも根野菜でも、シチューに使うようなものならなんでもあいます。ボイルしただけの温野菜ならバターを少し絡めるとバッチリ。芋類なら、焼いたものでも蒸したものでも相性がいいです。他、もちろん茸も。お好きなものを添えてお皿を華やかに演出してみて下さい。


DSCN20511.jpgDSCN2058.jpgところで、もう1品。この煮込みの煮汁は余るはず。ただそれを無理にスープのようにすくって食べるのは、おいしいけれどもったいない。残しておいて、スケーキや焼肉のソースに使ってみて下さい。もちろんすぐに使わないのであれば冷凍で保存できます。僕はといえば、イノシシのロース肉もいただいたので、こちらを厚さ1cmほどにカットし、中がほんのりピンク色の状態にさっと焼いてこのソースを活用しました。イノシシロース肉のソテー、カシスソース Sauté de Sanglier au Cassis 。これまた、たまらない旨さでした。











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イノシシの赤ワイン煮、カシス風味 ~煮込む~ 

前回の、しまなみ海道、今治市大三島で、農作物を荒らすイノシシを食べてしまおうという活動にのってご紹介した、イノシシの赤ワイン煮、カシス風味の続き。


DSCN1966.jpgDSCN1972.jpgDSCN1973.jpg2日以上漬け込んだら肉、野菜、漬け汁と3つに分けます。肉は表面の水分を拭き取った上で塩とブラックペッパーをふり、小麦粉をよくまぶしてフライパンにサラダオイルを熱して焼き固め、かつ色をつけます。小麦粉は焦げやすいので火加減に注意。はじめは強火にし、肉を入れたら煙を出さないように火を落とし、表面の小麦粉をしっかりと焼き切るのが大事。もちろん肉の中までは火が入らなくて大丈夫です。野菜は、煮込んでいく鍋でごく少量のサラダオイルを使って弱火でソテーします。表面に透明感、つまり甘みが出てきたらOK。


DSCN1975.jpgDSCN1974.jpg漬けていた汁は沸かし、沢山出て来る灰汁を丁寧に取り除きます。鍋の野菜の上に肉を載せ、灰汁取りをした汁、トマトの水煮を合わせて火にかけます。沸くとまた灰汁が出るので除去し、臭み消し&香りづけのブーケガルニを投入、弱火で煮ていきます。表面がポコッ、ポコッと、沸いているかいないか微妙なくらいの状態を維持するのがコツ。


DSCN1976.jpgDSCN1981.jpg2時間以上すると肉は充分柔らかくなるはずですが、これは大きさにも依るので、竹串を刺してみて確認してみて下さい。すっと通るくらいの柔らかさになっていたら、OKです。煮汁も濾します。野菜はここでお役御免。


煮汁はまだ、味も色も弱く、濃度もついていないので単独で再び火に。肉につけた小麦粉が溶け込んでいるので、あまり強火で放置していると焦げつくので中火でたまにかき混ぜながら水分を飛ばしていきます。とろりとした濃度がついてくるまで。


DSCN1979.jpgDSCN1996.jpg同時に別の鍋にバターを溶かし、スライスしたマッシュルームをソテー、漬け込みの際に残しておいた赤ワインとカシスリキュールを入れて、煮詰めます。一見なんでもない作業ながら、実はプロと一般の人との違いが一番出る工程です。お金がかかるくせに地味な作業のためか、一般向けのレシピにはこの、マッシュルームとワインの旨味を凝縮させて加えるかわりに、DSCN2004.jpg醤油やケチャップなどを隠し味と称して使うようになっていることが多いのですが、ここをきちんとすればお店で食べる本格的な出来映えに近づけます。写真のように、鍋を傾けても流れ落ちにくい粘度のあるルビー色の状態までもっていったら、ザルで濾しながら煮汁へ追加。この時、マッシュルームをよく圧して旨味を出し切るように。かつ、鍋も少量の水ですすぐようにして、煮汁に移して下さい。水は足しても蒸発させれば元通りになるわけで、作った旨味の素を水を使って1滴たりとも無駄にしないようにする感じです。


すると、さっきまでトマト煮のようにオレンジがかった軽い色をしていた煮汁が、もっと渋い赤褐色のそれらしい色になるはずです。DSCN2005.jpg肉を戻して弱火にかけて全体を馴染ませながらさらに煮ていくと、間もなく、濃度もいい感じに。ここで味見として、スプーンですくいほんの少し塩を加えて味見してみると、相当美味しくなってないでしょうか。もしなっていなければ煮詰め方が甘い証拠ですのでもう少し火にかけましょう。ここのバランスが一番文字にしにくいところ、かつ、一番違いが出てしまうところ。う〜ん、どうしよう。迷ったら火にかけて煮詰めるのが吉と思います。というのは、繰り返しますが水は足しても飛ばすことができます。もし濃くし過ぎたら薄めればいいのです。で、ここだ、というところで、塩を入れて味を決めます。塩は水と対照的に、迷ったら入れないというのが鉄則。後から引くことができませんので。


さて、これでほぼ完成なわけですが、今日は食べるのを我慢、鍋ごと冷ましてしまいます。時間を置き、かつ冷やしたり温めたりを繰り返すと、材料それぞれのもつ旨味がよく混ざり合い絡み合うらしく、煮込み料理は1晩寝かせた方が確実に美味しくなるからです。ほら、カレーもおでんもそうでしょう?ご馳走を作るには、材料やテクニックに加え、時間も味方にすることが大切です。ということで、仕上げは次回に。そうそう、ジャムの出番もまだこの後!










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イノシシの赤ワイン煮、カシス風味 ~材料の準備~ 

今日は、前回書いた通り、イノシシの赤ワイン煮 Civet de Sanglierの調理手順についてを。この季節の愛媛県のしまなみ海道大三島のイノシシは、柑橘類やクヌギのどんぐりばかりをふんだんに食べているだけあり、また、処理がきちんとなされてるので、なんともいいようのないしっかりとした味があり、それでいて臭みはなく、最高のご馳走になりうる食材です。そして焼き肉にしたり鍋にしたりと和風に仕立てるよりも、むしろこのフレンチスタイルの煮込みの方が、手間と時間はかかるけれど失敗しにくく、食べやすいのではないか、なんて思います。僕の愛するしまなみ海道×フランスのビストロ料理のこのメニューは、見た目以上に簡単にできますし、とことん丁寧に説明しますので、是非試してみて欲しいなぁ、と。


えっと、最初にお断りを。煮込み料理はゆっくりじっくり火を通すのが基本ですが、今回はさらに漬け込むという作業、さらに煮てからも一晩置くという作業も入りますので、今日調理してすぐ食べる、ということはできません。数日後を楽しみにする心構えで準備をしていきましょう!時間をかけて楽しむ——食べ手にだけでなく、作り手にも、豊かなゆったり感が求められるのが、フランスが美食の国と言われる所以のひとつではないかと思っています。


『イノシシの赤ワイン煮、カシス風味』
Civet de Sanglier au Cassis

<材料:4人前>DSCN1947.jpg

A ・イノシシ肉         1〜1.2kg
  (掃除前で1.5kg)
  ・にんにく         1片
  (軽く潰す)
  ・玉ねぎ          300g
  ・人参            200g
  ・セロリ          100gDSCN1951.jpg
  (野菜は2cm程度の角or乱切り)
  ・赤ワイン         500cc



・塩、ブラックペッパー      適量
・小麦粉             適量
・サラダ油            少々
(ピュアオリーブオイルなど) 

・トマト水煮缶         400g
・ブーケガルニ          1束

・マッシュルーム        120g(1パック)
(スライス)
・バター            20gDSCN1982.jpg
・赤ワイン(仕上げ用)      220cc
・カシスリキュール       50cc
・カシスジャム         50g

・バター(仕上げ用)        40g


一応、ブログに書くためにきちんと細かく数字を割り出しましたが、煮込み料理は分量はある程度アバウトでもおいしくできるので、実際に作る時には多少の増減は全く問題ありません。むしろ大事なのは、以下、なぜそうするのかの部分。


イノシシ肉は、ロース・フィレ以外ならどこでもよいのですが、脂身に旨味があるので、肉と脂が層になっているバラ肉は必ず入れたいところ。対してロースやフィレは、さっと火を通しておいしい部位なので、煮込んでしまっては台無し、この料理には向きません。そして、できれば骨つきで。肉は骨の周りが美味しいというだけでなく、骨が縮まるのを防ぎ、より柔らかく仕上がるためです。


DSCN1950.jpg脂に旨味があるとはいえ、毛皮のすぐ下の表面の凸凹したりヌルヌルした脂は嫌な臭いが出て来る可能性があり、また毛がついていたりするので取り除きます。くれぐれも削り過ぎに気をつけて下さい。また、筋はとってはいけません。ここも煮込むと柔らかくなって美味な部分ですから。解凍して出てきた血は臭くないようであれば捨てずにとっておきましょう。お好みで仕上げに加えることでより野性的な味に。肉の大きさは、できるだけ大きなままの方が柔らかく美味しくできる一方、大きすぎると家庭用の鍋には上手く収まらないので、その間のちょうどいいところを見計らってカットします。250gくらい、おにぎり2〜3個くらいの大きさが扱いやすいと思います。左がその掃除をして切り分けた肉、右は余分な脂。


玉ねぎ、人参、セロリは、西洋料理に欠かせない旨味と甘味の素ですが、だいたい3:2:1の比率で使うとバランスがよいです。いずれも2cm程度の角切りもしくは乱切りで。濾してしまうので形はあまり気にせず、また、人参とセロリは皮下が一番味が強いので、汚れていないのならば皮つきのままでOK。2cmなのは2時間くらい煮込むから。1時間なら1cm、5時間なら5cm、という風に覚えておくと便利。


赤ワインは高級品である必要は全くないですが、必ずミディアムボディ以上の重さのある赤ワインを。そしてケチらずたっぷり使うのがコツです。僕は料理にはいつも、メルシャンの『おいしい酸化防止剤無添加 赤ワイン』を愛用しています。リーズナブルで品質も安定しており、とても使いやすいです。今回のレシピではこれを丸々1本使っています。


ブーケガルニは、風味づけのための香草の束。万能のタイム、ローリエに加え、今回は少し癖のある野生の肉なのでローズマリーも。普通は長ねぎで包んで作るのですが、お茶の葉を入れるお茶パックがあればそれに入れると便利。包んで入れるのは、香りが強過ぎるなと思った時にいつでも取り出せるようにするためです。


当初は果物の風味なしのシンプルな赤ワイン煮で調理してみたのですが、イノシシ肉の個性にはもうワンパンチ甘味と酸味を加えたくなり、手元にカシスリキュールがあったことからカシス風味に。リキュールは無理に揃えなくてもよいですが、ジャムはこの料理の決め手です。ジャムを料理に使うということに戸惑いがあるかもしれませんが、豚にリンゴ、鴨にオレンジ等、ヨーロッパでは古来、肉とフルーツの組み合わせはとても親しまれてきました。ジャムはフルーツを濃く詰めたものですから、それを再現するのに一番手っ取り早い調味料となるのです。今回、僕はカシスにしましたが、カシスジャムの入手が難しいようであれば、ラズベリージャムやマーマレードを使ってラズベリー風味や柑橘風味に仕立てるのもお薦め。いずれにせよ、甘さだけでなく酸味もあるジャム、というのが鍵になります。


DSCN1955.jpgさて、今日は漬け込み作業までしてしまいましょう。ボールにAの肉、野菜を入れてよく混ぜ合わせ、赤ワインを注いだらラップをして2日以上冷暗所に保管します。赤ワインを肉に馴染ませ、臭みが出るのを防ぎながら、柔らかく熟成させる工程です。野菜も一緒に漬け込むことで、後々の味のまとまりが俄然よくなります。


漬け込んだ後は、『鶏の赤ワイン煮』と手順やコツがよく似ているので、よければ、前に書いて好評のこちらも是非目を通していただきつつ、続きの次回をお待ち下さいませ。












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