まさかじゃない!〜そしてカープは強くなった〜


そんな弱いあの広島東洋カープが、こんな風に強くペナントレースを突っ走るなんて。息子達に、もう何年も優勝できるはずと言い続けてはいたけれど、それが現実になる時が本当に来るとは。
その理由は、コアなカープファンの誰もが言っていることですが...。
マーティーブラウン監督の、全員が得意技を持ち寄って結集してポジティヴに戦うという意識改革が始まりでした。それまでのカープが、個々の根性論や精神論に依存し過ぎていたのを、彼は気づかせてくれました。日本の緻密な野球には適応し切れきず、チーム成績を上げることはできませんでしたが、球団のカルチャーに新しい風を吹き込み、目覚めるきっかけを与えてくれたのは間違いないでしょう。

そしてマーティーの叩き込んだ意識の持ち主でありかつ外の世界を見てきた黒田選手と新井選手が、志はそのままに、誰からも認められる人間性を身につけて帰ってきてくれた、これは本当に大きかった。
とかく純血主義に走りやすかったオーナーも、他球団が優秀な人材を手放すと速攻で引き込むのを厭わず、そうしてやってきた石井琢朗、新井宏昌、河田雄祐の名コーチ3人はチームに新しい考えや技術をもたらしました。オーナーもたまには褒めてやらにゃ。

その間にできた美しく楽しい新広島市民球場マツダスタジアム。ファンは自分達で作ったその球場に吸い寄せられるように、新しいユニフォームを身に纏って集い、いつの頃からかスタンドは毎日赤く染まるように。旧市民球場は廃止が決まるちょっと前まで、スタンドの一部以外空席なのが当たり前、広島の商圏を考えたらこれが精一杯なんて分析までされていたのが嘘みたい。
そして、緒方監督が大きく変わった、今年はこれがすべて。去年は優勝できる戦力と思っていたので、1年目とはいえ監督の采配、発信する言葉にがっかりしたものです。その象徴が、CS進出がかかっていたのに手も足も出ずに負けた最終戦。試合内容も酷かったけれど、その後ファンへの挨拶さえ拒否した姿に、ああこれはまた指揮官が交代するまで優勝はないなと失望したのは僕だけではないはず。ところが変身した、それも本当に驚くほど。柔和な表情で選手をよく褒め、失敗した選手には一方的に悪く言うことなく適切にフォロー、ファンへもきちんと向き合い、周りに常に感謝の気持ちを表するようになるとは、去年とは180度違います。シーズンオフに猛反省と共に猛勉強をしたのではないでしょうか。ここは讃えられるべきです。本当に見直しました。まだまだ疑問符のつく隙はあるけれど、もしかしたらとんでもない優秀な指揮官となるかも。過去、外野手出身に監督業は厳しいデータがあり、外野育ちで日本一になった監督はわずか3人、若松、西村、秋山の各氏しかいません。ただしみんなセンターで、うち2人は内野経験者でもあります。緒方監督は、セカンドで鍛えられた後センターに定着した人、日本一になる資格は十分。
とすると、これから再び黄金期を迎える予感さえ!
まずはこの秋、日本シリーズに出よう!経験を積み上げよう!





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まさかじゃない!〜カープはとても弱かった〜


91年の前回の優勝時、僕は大学1年生。歳下の選手は1人もおらず、みんなおじちゃんに見えたものです。でも今回の優勝チームにはもう、歳下の選手しかいない。中心にいる大ベテランの黒田だって新井だって、新人の時の荒削りな姿をよく覚えている、そんなおじちゃんに、僕の方がなってしまった。かくも長い時間、1度も優勝できなかったなんて、罪だなぁ、カープは。

僕が幼い頃、カープはいつも強かった。今と同じく原石をスカウティングしてきて育て上げ、知的にゲーム運びをして勝つスタイルで、何かと優遇されているジャイアンツと競り勝った上で頂点に立つ姿は、誇りでした。ところが、その時にあったはずのチーム作りのメソッドはブラッシュアップされず、逆指名制度やFA制度という外的なマイナス要因もあって、91年の優勝以来、長い長い低迷期に。

そもそも、これはまずいぞ、と僕が思い始めたのは98年頃。黄金期を知る選手達が皆引退してしまい、チームの新しい支柱となっていた野村謙二郎が怪我でショートを守れなくなってきた時です。バッターこそ出てくるものの、ピッチャーを含めた守りの方では育成が全く上手くいかず、有望な選手は獲得できずで、とりわけ正田耕三や謙二郎が抜けた後の二遊間に入れる若い選手が不在、ユーティリティープレイヤーの木村拓也や助っ人外国人選手が守っていました。そんな破綻している内野をバックにしては、ピッチャーだって育つわけがない。



続きは次回に。



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スターの持つ力



すかさずショーゴとカンタにゴーサインを出すも、ショーゴはこういう時に機敏に動ける子ではなく、カンタは急に広がった人だかりに弾き飛ばされ、みるみる輪の外の方へ。大竹投手は、汗をダラダラ流しながら熱心にサインをしていくも、人だかりは減るどころか増えていく有様。結局100人くらいに膨れ上がり、いつ終了となっても不思議ではない状況で、ああ、これはしてもらえないかなと内心諦めつつ、そこを動くな、最後の最後に「僕まだもらえていません」と叫んだら子供にはしてくれるかもしれないから、とアドヴァイスして見守っていました。





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友を訪ねて、3度目の日南2軍キャンプ
2軍キャンプですので、

今回の旅の目的は、それよりむしろ、2人の友人に会うことでした。左下にあるこのブログのリンク先にもなっている、宮崎県のこれぞカープファンというべきカープファン、夏鯉さんとzoffさん。おふたりとも大人気のブログを運営されておられる有名人。僕はだいぶ前からお世話になってとても親しくさせていただいています。ただカープが好きな者同士、というのではなく、カープに対する思いや情熱、価値観が通じ合う、そういう仲なのです。夏鯉さんは、4年前初めて来た日南キャンプで、甲斐選手のお母さんがブログをご紹介して下さったのが始まりで、いうなれば甲斐君が引き合わせてくれた方。そしてzoffさんは、夏鯉さんにとりもっていただいて意気投合するようになった日南っ子です。おふたりとも甲斐選手が戦力外通告を受けた際には、「他球団に向けて彼の良さをアピールしよう!」という呼びかけに快く応じて下さり、僕の記事にトラックバックして下さった結果、とんでもない数のアクセスをいただき、ひょっとしてひょっとするのでは、という夢を見せてくれました。
いつかお会いしたい、と思いながら、ネット上だけで仲良くしてきましたが、僕が日南キャンプに行かない限り対面するのは難しいのではないか、とも考えていました。甲斐君いなくなってしまったから、キャンプを見に行く気持ちにはなかなかならなかったのですが、とれた連休初日がおふたりが見学に来る日曜日だったこともあり、ここを逃したらチャンスはまたしばらくないぞ、と出撃を決定。
もっとも、事前にご連絡していません。だって突然現れた方が面白いでしょう?幸い、夏鯉さんは、宮崎ではお仕事でテレビにも出ている方で、僕もお顔を存じていました。そして、7日におふたりともいらっしゃること、夏鯉さんは朝からいらして、zoffさんは午後来られることもわかっていました。
キャンプを開催している日南の天福球場へ着いた時はちょうど選手のランチ時。さりげなく夏鯉さんを探しますが、お客さんは50人もいないのに、なかなか見つかりません。あまりキョロキョロするのも憚れますし、先に見つかりたくないなぁという欲求もあり、結局1時間くらいかかりましたが、無事発見。zoffさんも夕方にいらっしゃり、お会いすることができました。おふたりとも大変驚いて下さり、僕はとっ~ても嬉しかった!(zoffさんとの出会いの様子は、こちらを是非)
あれやこれや話をしていたらあっという間に夕方になり、練習終了。おふたりのご家族と、球場の外で選手の出待ち。皆さん、春も秋も毎週のように来ているので、一部の選手は丁寧に挨拶までしていきます。すごい!おかげで、山本翔捕手と安部内野手とお話することができました。
翔さんは、


安部君は僕のことを思い出してくれ、狂喜乱舞!


夜は夏鯉さん、zoffさんのご家族とご一緒させていただき、宴会。カープ談義に花を咲かせました(もちろんその時の写真はここには載せられませんが)。突然押し掛けた珍客なのに、とても楽しいひとときをどうもありがとうございました。
僕は明くる今朝、一人で選手の出勤をお迎えしました。当然翔さんと安部君に、おはようございます、今日も1日頑張って、と声をおかけしました(ルーキーの伊東君は僕を記者さんと間違えたみたいで丁寧に挨拶してくれました。実にいい子だ!)。昼まで練習を見学して、帰路に。当初は最後までいよう、人が見ていない時程見ていてあげたいと考えていたのですが、平日に大の男があんまり長い時間いても薄気味悪いかもしれないし、するべきことはすでにしたわけで、引き上げてしまいました。2日で15時間を移動に費やしたけれど、いやぁ、楽しかった!
キャンプ全体や他の選手については、zoffさんのブログ『ALL YOU NEED IS "CARP"』がとても詳しくお薦めですので、是非ご覧下さい。夏鯉さんのブログ『夏と海と空と鯉』は、理由あってお休み中だそうですが、ある日突然再開するかもしれませんから要チェックです。
さっ、また、熱く2軍を応援したくなってきたぞ~!!


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こんなところも見て欲しい~山本翔捕手~
僕がカープに距離を置いてしまったのは、結果でなくプロセスが全く気に入らなくなったから、といえます。ブラウン監督が就任時に掲げた、チームに関わる全ての人の力を結集しよう、「ALL-IN!」というとても素晴らしい理念が、僕の目には空疎化してしまったように映りました。チームの運営、試合での用兵が行き当たりばったり。裏づけがない、目配りも足りない。そう感じながら見続けることが堪え難かったのです。
もちろんプロですから結果は大事です。それは野球に限らず、あらゆるビジネスシーンで当然のこと。お金をいただく以上、仕事は結果を出さねばなりません、僕も含めて、です。では、成果を上げられれば途中の道のりはどうでもいいかというと、僕は断じて違うと思います。そもそもいい成績を出せる人はどんな分野でもほんの一握り。それもそこに行き着くまでには失敗の方が多い。運や縁も必要で、自分の能力や努力ではどうにもならないこともあります。
人としての価値は、いい数字をあげられるかによりはむしろ、どう取り組むか、どう進むか、そこにあるはずなのです。僕はカープの試合を見るのも好きですが、練習を見るのも大好きです。それはそういう理由からです。縁あってカープに入って来てくれた選手達が、目標に向かって頑張るその過程は、是非、多くのカープファンに見つめてもらいたいです。一方、球団には、今年それに値する内容のステップを踏んでいたのかな、と顧みて欲しいです。
そういう視点で眺めると、今のカープには1人、素晴らしい若手がいます。背番号61、山本翔捕手です。福岡有数の進学校東筑高校で、強肩強打そして俊足で鳴らしたキャッチャー。カープが誇った凄腕の村上スカウトが惚れ込んだ逸材で、礼儀正しいことが評判の好青年ですが、ドラフト5位という下位指名での入団以来8年間、ずっと2軍暮らし。キャッチャーというポジションはただでさえ下積みにかかる時間が多い上、後からドラフト上位で後輩達が来たために、2軍の試合ですら守備にはおろか、打席にもなかなかチャンスがもらえません。
が、それでも心折れず腐りません。

さらにもう1枚。

僕は彼にはサインを戴いたことがあるとはいえ、甲斐元選手みたいに親しくさせていただいているわけではなく遠巻きに観察しているだけですので、どんな気持ちでそうしているのか本当のところは知りません。そして、今後ちゃんとチャンスをもらえるのか、選手として花を咲かせられるのかも、わかりません。ただ、どんな状況下であれ、チームへの貢献に向かってそのプロセスを大事にする姿は、野球選手としてはもちろん、1人の人間としてもっと視線を注がれ、評価されていいと思います。これから秋そして春のキャンプをご覧になる皆さん、是非、そんなところも見てあげて下さい。


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10月16日追記
翔君の記事、そして日南キャンプ情報はこちらzoffさんのページが詳しいです。